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疾患名から調べる|浦和の内視鏡・消化器内科 - 浦和消化器内視鏡クリニック

ピロリ菌感染症(Helicobacter pylori; H.pylori)

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ピロリ菌感染症(Helicobacter pylori; H.pylori)

ピロリ菌感染症とは:

ヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃ないし十二指腸に感染し胃潰瘍十二指腸潰瘍の原因となる細菌です。一般的には、ピロリ菌と呼ばれています。ピロリ菌は、ヒト以外ではサルや犬・猫などにも感染すると言われています。ピロリ菌は、衛生環境が悪かった昔の時代にピロリ菌に汚染された井戸水や食べ物を摂ることで幼少時に感染すると考えられていました。現在では、衛生環境も改善されておりほとんどピロリ菌に感染することは少なくなってきました。

幼少時にピロリ菌が胃に感染すると長い時間をかけて胃に慢性の炎症をもたらし、胃の粘膜が薄くなっていってしまい萎縮性胃炎という状態になります。萎縮性胃炎では、胃の粘膜が正常に働かないため胃酸などの胃液が十分に作られず消化不良が起こり胃もたれなどの症状が出ます。萎縮性胃炎がさらに進んでいくと腸上皮化生といって胃粘膜が腸の粘膜のような状態になることがあります。腸上皮化生があると胃がんのリスクが高くなると言われています。

ピロリ菌は、胃がんの発症に深く関与しています。とくにピロリ菌により胃に慢性の炎症が起こることが胃がんの発生に重要な役割を果たしています。1994年に国際がん研究機関(IARC)において胃がんの発癌因子であると指定されています。ピロリ菌感染があると高濃度の塩分摂取・喫煙・加齢・遺伝子異常などにより発がんが誘発されると報告されています。

ピロリ菌の感染による症状は、幼少時に感染した場合は初期に症状をきたすということはほとんどありませんが、萎縮性胃炎や胃がん胃潰瘍十二指腸潰瘍などになるとそれらに応じて症状がでてきます。成人してから何らかの原因でピロリ菌に感染した場合には急性の胃炎やAGML(急性胃粘膜病変)というご病気になり胃の痛みや不快感・吐き気・嘔吐などの症状がでることがあります。

ピロリ菌の感染を診断するためには以下のような検査があります、

①尿素呼気試験(urea breath test: UBT)

②便中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査 

③血中ヘリコバクター・ピロリ抗体検査 

④内視鏡下生検検査(迅速ウレアーゼ試験・組織鏡検法・培養法)

各々の検査法には利点・欠点がありますので、それぞれ使い分けて検査が行われます。

ピロリ菌感染がある場合には、抗生物質を内服することで除菌をすることができます。除菌の方法は以下のような薬剤を7日間内服することで行います、

①一次除菌療法:抗生物質2種類(アモキシシリン+クラリスロマイシン)と胃薬(プロトンポンプ阻害薬もしくはP-CAB [カリウムイオン競合型アシッドブロッカー])を1週間内服して除菌をします。P-CABを内服する除菌療法は除菌率が高いと報告されており当クリニックでもP-CABを使用した除菌療法を行っています。

②二次除菌療法:一次除菌療法に失敗した場合には、クラリスロマイシンの替わりにメトロニダゾールを使用し再度除菌します。

除菌剤の副作用としては、抗生剤を内服するため皮膚のかゆみや下痢症状などが出ることがありますが、基本的には軽い副作用では7日間しっかりと内服してもらうのがいいと考えられています。症状が重い場合にはすぐに主治医と相談されるの必要があります。

除菌療法の成功率は、一次除菌療法で70~90%程度といわれています。一次除菌で除菌されない場合には二次除菌療法を受けます二次除菌療法の成功率は90%程度といわれています。二次除菌療法でも除菌できない場合には、三次除菌療法となり薬剤を変更して除菌を行いますが、保険診療では行えないため自費での治療となってしまいます。

ピロリ除菌後は、しっかりとピロリ菌が胃からいなくなったかどうかを調べる必要があります。これを除菌判定と呼んでいます。除菌剤を内服してから4週間後以降に判定の検査を行います。この判定までの期間は間隔を開ければ開けるほど正確な結果が出ますが、あまり間隔を開けすぎると来院することを忘れてしまう方がいるため基本的には1~2か月くらいで判定の検査を行っています。除菌の判定の検査は、尿素呼気試験か便中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査を行うのが一般的ですが、どちらの検査方法も完全なものではありません。そのため一度しっかりと除菌できたと診断されても、再度検査をした場合にピロリ菌が陽性となることもあり得ます。

胃潰瘍十二指腸潰瘍の場合には、ピロリ菌を除菌することで治ります。また除菌は、胃潰瘍十二指腸潰瘍の再発を抑制すると報告されています。また、胃がん発生においてある一定の抑制効果があると言われています。しかしながら、長期にわたりある一定の胃がん発症リスクは完全には消失しないとも言われています。ピロリ菌除菌後は早期胃がんの内視鏡診断を困難にするという報告もあるため慎重な内視鏡検査での経過観察が必要となると考えられています。