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“胃が痛い” ~本当にその痛みは胃ですか?~

[2022.06.06]

 

こんにちは、浦和消化器内視鏡クリニック院長の勝山です。

今日は、みぞおちの痛み、心窩部痛(しんかぶつう)に関するお話をしようと思います。

 

外来をしておりますと、よく「胃が痛い」とおっしゃる方が来院されます。

内視鏡の検査(胃カメラ)をしてみて、実際に胃が荒れていることも多いのですが、胃以外の病気のことがあるんです。

 

ということで、「その痛み、本当に胃ですか?」 

今日はそんな話をしてゆきます。

 

「胃」と「おなか」

 

お腹(おなか)というと、皆さんはどの辺りを想像されますか?

外来をしていると、この「おなか」のイメージが、人によってマチマチなのだなと感じています。

 

かなり多くの方が、

「胃」と「おなか」を区別して考えていらっしゃるようで

臍より上方を「胃」

臍の辺りから下を「おなか」としてお話をしてくださいます。

 

一方で、我々、医療従事者は、「おなか」と言うと、

みぞおちの辺り、いわゆる「胃」の辺りも含めて「おなか」と捉えています。

皆さんが「胃」という部分を上腹部と呼んだりするくらいで、

「胃」も含めて、腹部なのです。

 

たまに、外来でこのイメージの違いから

お互いの話がすれ違うことがありますので、

頭の片隅にとどめておくと良いかも知れません。

 

実際には、臍より上方、上腹部や心窩部(しんかぶ)、みぞおちと呼ばれる部分に、

胃がありますから、皆さんが「胃」と呼ぶのは正しいのです。

 

みぞおちの痛みの原因

 

ただ、このみぞおちの辺りには、胃の他にも横行結腸や膵臓、空腸などがあります。

みぞおちの辺りが痛いからと言って、必ずしも胃に原因があるとは限りません。

 

虫垂炎(ちゅうすいえん)という病気をご存知でしょうか?

巷で、“もうちょう”と言われるこの病気は

大腸の一番奥、右下腹部の辺りの炎症なのですが、

しばしば、「胃が痛い」とみぞおちの辺りの痛みで来院されます。

腹部エコー検査をしてみると、虫垂に炎症があり

虫垂のある右下腹部の位置を押した時に痛みが強くなるのですが、

最初は、みぞおちの辺りの痛みとして感じられること多いのです。

 

一般的に、みぞおちの辺りの痛みでは、

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃アニサキス症、急性虫垂炎

逆流性食道炎、急性膵炎、急性胆嚢炎、急性胆管炎、急性肝炎

狭心症、心筋梗塞、心不全、急性大動脈解離 などなど様々な病気の可能性があるのですが

 

内臓の痛みは、虫垂炎の様に、

痛みの場所と病気の位置が一致するとも限りません。

 

痛みの原因を調べるためには

 

こういった様々な病気を鑑別する上で、腹部エコー検査が非常に有用です。

腹部エコー検査は安全で、体に負担の少ない優れた検査で

当院では、熟練した検査技師による腹部エコー検査をお受けいただけます。

お気軽にご相談いただければ幸いです。

 

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